クラシックカメラの修理費用は、単に「壊れている箇所を直すかどうか」だけで決まるものではありません。
同じ機種、同じ症状に見えても、内部の劣化状態、過去の修理歴、部品の摩耗、保管環境、使用目的によって、必要な作業範囲は大きく変わります。
そのため当方では、作業内容を大きく以下の2段階に分けてご案内しております。
「できるだけ安く動くだけで済ませる修理」ではなく、使用目的や個体の状態に応じて、必要な作業範囲を判断する整備を基本方針としています。
標準整備・オーバーホール
20,000円~
実用を前提とした、当方の基本となる整備メニューです。
単に動作不良を改善するだけでなく、今後安心して使用できる状態を目指して、必要な範囲で分解・清掃・注油・調整・測定を行います。
主な作業内容は以下の通りです。
- 分解清掃
- 注油
- 各部調整
- シャッター速度測定
- 露出計確認
- モルト交換
- ファインダー清掃
- 巻き上げ、巻き戻し機構の確認
- レンズ、距離計、ピント機構の確認
- 使用上の注意点の確認
クラシックカメラは製造から長い年月が経過しているため、外から見える症状だけを直しても、すぐに別の不具合が出ることがあります。
そのため、実際に撮影で使用する場合は、標準整備以上をおすすめすることが多くなります。
「とりあえず動けばよい」という修理ではなく、実用機として使うための整備です。
重修理・難物対応
40,000円〜
構造が複雑な機種、長期放置品、劣化が広範囲に及ぶ個体、過去に分解された形跡のある個体などは、通常より多くの工数を要します。
以下のような場合は、総合整備・難物対応となることがあります。
- 複雑な機構を持つカメラ
- 長期間使用されていなかった個体
- 旧ソ連製カメラなど、個体差や調整難度が大きい機種
- 素人分解歴のある個体
- 部品欠品、破損、変形がある個体
- 部品製作や代替部品の選定が必要な場合
- 過去の修理により状態が悪化している場合
- 通常の分解整備では復旧が難しい場合
この区分では、通常の修理よりも状態確認・原因特定・調整・部品対応に時間がかかります。
また、作業を進めた結果、部品の入手性や内部状態により、修理不能となる場合もあります。その場合でも、分解・調査にかかった費用が発生することがあります。
料金は「作業範囲」と「責任範囲」で変わります
修理費用は、単純に「高い・安い」だけでは比較できません。
同じ「修理」という言葉でも、
- 最低限動くようにするだけの作業
- 不具合箇所だけを直す作業
- 分解歴や劣化状態を踏まえた復旧作業
- 測定や調整を含む整備
- 今後の使用を見越した予防的な整備
では、必要な時間も責任範囲も大きく異なります。
当方では、安価な応急修理を主目的とした作業は原則として行っておりません。
古いカメラを今後も使用するためには、目に見える不具合だけでなく、内部の状態や劣化の進行も考慮する必要があります。
そのため、費用を最優先される場合は、当方の方針と合わない場合がございます。
一方で、大切な機材をできるだけ良い状態で使いたい方、状態を理解したうえで長く付き合いたい方には、できる限り丁寧にご案内いたします。
実機確認後のお見積りについて
クラシックカメラは個体差が大きく、外観や症状の説明だけでは正確な見積りが難しい場合があります。
お問い合わせ時点では概算をご案内し、正式な費用は実機確認後にお見積りいたします。
状態によっては、当初の想定より費用が高くなる場合や、修理をおすすめしない場合もあります。その際は、作業前にできる限り理由をご説明いたします。